ビジョン
「自ら決めることができるような環境」「生き方の選択の幅が広がる環境」を人々とともに作り出し、より豊かで多様な社会の構築に寄与すること。
NPO法人アプカスは、北海道函館市に事務所をもつNPO法人です。

主なメンバーは、環境教育や農村開発の分野で国際協力活動に従事した経歴を持つメンバーや環境学、経済学、都市計画などを学んできた、あるいは、学んでいるメンバーが集まっています。
国外では任意団体時からの活動の拠点であるスリランカで、当法人のスタッフがビジョンを共にする現地のNGOと協働して、より効率的で効果的な災害復興支援、持続的な生計向上プログラム、教育支援、農業技術の普及等に取り組んできました。
今年度からは、さらに活動地、活動分野を広げ、コミュニティベースの社会起業や防災計画の立案、コンピュータ知識の普及、農業研修センターの設立による地域開発、内戦被災民のサポート等に新規に取り組んでいます。
アクション「ワラパネ地滑り災害のケースより」
一般的に復興支援の場合、状況は流動的に変化しますが、どのプロジェクトにおいても、実際に現場に行き、きちんと情報を整理することから始まります。実際にプロジェクトを行う際、どのような物資が現地で調達可能で、どうなような物的・人的リソースをもっているかも多角的にリサーチしていきます。また、現地の政府関係者、名士、NGO、自治組織といった関係者の方々とも信頼関係を築けるよう対話を重ねていきます。
外部者である我々と受益者である被災者、住民の方々との関係も、従来型開発における「教師と生徒」の関係ではなく、「対等のパートナー」でなければならないと考え、「対話」を行っていきます。
その後、「対話」の中心は、被災者や住民の方々同士のワークショップに移行され、我々は、必要に応じて提案役、情報を整理・共有する役目に徹するようにしています。実際のワークショップを通して、受益者間で、「今、何が必要か?」「何をあきらめなければいけないか?」といった選択肢の取捨選択が行われますが、その中では、対立する意見や我田引水の意見が出ることも多々あります。しかし、予算制約、公平性、協調性の観点が醸成されるまで、信頼して待つということも非常に重要な役目であると考えています(プロジェクトによって、そのような時間がない場合もありますが)。
あくまでも、受益者の中で共に一定の結論を見出し、「自ら決める」ことが、プロジェクトの実施段階、または、実施後の維持してゆく段階での愛着心、責任感、持続性といったエネルギーを与えてくれるものであるというコンセプトは、我々の中の大きな活動指針の一つです。プロジェクトによっては、責任分担表を作成したり、“労働”で建設費用の負担を自発的に拠出していただいたり、住民の方々に自治組織を作っていただいたりすることもあります。
自ら決めてもらう。その先によりよい社会があるはず
確かに、「教師と生徒」型の復興支援よりは、時間がかかり、紆余曲折が多かったり、短期的な成果や目に見える数値などからは把握しづらいといった問題点もあるかもしれません。
しかし、そういったプロセスを経ることは、その当事者であるコミュニティのメンバーが、自身の置かれた状況に気づき、問題を自覚し、自らの生活の調整と改善を図る力を試行錯誤を経ながら獲得してゆくプロセスを経るということでもあります。また、従来の、「教師と生徒」型復興支援事案での被災者・住民の方々の援助依存症の予防への一助となり、自立性や積極性が生まれてくるのではないかと考えています

人間の潜在能力を信じて、その発揮を可能にするような社会の実現こそが、NPO法人アプカスが目指す世界そのものです。我々は、被災者、受益者の方々は、元来自ら決める権利を持っていると考え、「責任」を持って「自ら決めてもらう」ことこそ、最も大切なコンセプトである考えています。
そのために、「自ら決めることができるような環境」、「生き方の選択の幅を広げてくれる環境」を共に作り出し、大切にしてゆくことを活動の核に位置づけています。
そのプロセスこそが、アプカスの英語表記APCASの「平和(Peace)」「生き方の幅(Capability)」「持続可能性(Sustainability)」を広げ、近づいて行く素地になると信じて活動を展開しています。
活動のガイドライン
(1) 何よりも対話を重ねること
我々は、あくまでも外部者。これは、プロジェクト終了後のコミュニティの自立という点からとても重要です。 | (2) できる限り現地の資源を用いること
資源とは・・・物だけでは決してありません。人びとのアイディア・技術・ネットワークも大きな資源です。これらの資源が有機的につながると、“1+1=2”ではない状況が生まれてきます。 | |||||
(3) 最終的には、受益者全体で決めてもらうこと
コミュニティーには、様々なメンバーがいます。全てのことがうまくいくとは限りません。山あり谷ありで個人や地域は発展していくものです。一時的にマイナスの影響が生まれることもあります。そんな時、自らの決断によりその状況になったのであれば、それを受け入れることも可能ですが、我々が、一方的に決定したのであれば納得がいかないものとなるでしょう。 | (4) 地域の安定と平和に資すること
手を差し伸べた、我々が関与したががために地域内の“助け合い”が“妬み合い”へとなる可能性もあります。我々自身も、その点を忘れることはありません。 | |||||
(5) 住民のケイパビリティの向上・能力開花に資すること | (6) できる限り持続可能であること | |||||
もっとつなげていきたい
人と人をつなげる潤滑油でありたいとアプカスは考えています。
異なる環境で生きる人と人、グループとグループ、それを、正しい情報の下、信頼と敬意でつなげることで、きっと想像もしないことが、生まれるはずです。
そして、その新たなつながりの中で「感謝」という温もりがゆっくり育つための潤滑油でありたいとアプカスは考えています。
現地のネットワークをつなげたい
一番、必要としているものを理解しているのは、現地の住民であり、現地で活動を続けてきた個人やグループです。それら現地のリソースと有機的に協働し、プロジェクトの申請業務や小さなプロジェクトも多数行っています。
私たちの団体を決して中心に考えず、総合的なネットワークとして、現地により大きな寄与できる枠組みを作りだすことが最優先で、現地NGOの日本の窓口となる活動も積極的に行っています。
現地と日本のネットワークをつなげたい
このページをご覧の皆様もきっとお忙しい時間をお過ごしのことと思います。その中で、遠い世界の遠い人々の貧困や災害に目を向ける時間や余裕がないということも重々承知しています。
しかし、その垣根を取り払ってくれるのが、インターネットテクノロジーと情報の質であると考えています。できるだけタイムリーに、できるだけわかりやすく正確な情報を皆様に提供し、まずは、知っていただくことから、皆さまとのつながりを深めていければと考えています。
また、現地の貧困や災害の下で暮らす人々は、私たちの想像以上にたくましいというのもまた一方の事実です。テント暮らしや貧困の中でも、人々の明るさや気高さを感じたり、心温まる光景を何度も何度も目にしてきました。
失敗や貧困などの逆境にあっても現れる豊かな人間性をご紹介し、そこから、皆様それぞれが何ができるか考えて頂けるような団体でありたいと私たちは思います。ネガティブな部分、大変な部分だけを強調し、お伝えしても、決して皆様と持続的な関係は構築できないと考えるからです。
その上で、無理なく、できる範囲で、細く、長くできる「ゆるやかな国際協力の形」を皆様と作り上げていければと考えています。決して、与えるだけではなく、お互いに気がつけば与えられていたという関係をアプカスを通してご提供できれば、私たちにとっても最高の幸せです。
このような考えのもと、日常の忙しい時間の中で、皆様に少しでも心の温まる瞬間をご提供できますよう、皆様をつなげる活動も進めてまいります。
資源とは・・・物だけでは決してありません。人びとのアイディア・技術・ネットワークも大きな資源です。これは、私たち自身についても当てはまるはずです。国境の垣根を越えて、「思い」と「資源」のある人々を繋げていくことで、きっと、そこに新たな学びや理解が生まれるはずです。この先、皆様方と生まれていくものを楽しみにアプカスは、その歩みを進めて参ります。






